組合の役割

 経営資源の限られた中小企業は、近代化・合理化への遅れや取引において不利な立場に立たされるなど、経営上多くの制約があり、個々の企業努力だけで様々な課題を解決することは困難です。厳しい経営環境の変化に対応して、中小企業が経営基盤を強化していくためには、中小企業組合制度を活用することで企業同士が連携し、それぞれが保有するノウハウ、経営資源を補完し合うことが効果的です。
 中小企業組合では、「原材料等の仕入コストを削減するためにまとめて仕入れる」「市場を開拓するため共同で新たな販路の開拓を行う」「共同で新技術の開発を行う」「イベントを開催して地域の人々との連携を深める」「研修会を開催して組合員企業の人材の育成を図る」等、様々な事業活動が行われており、こうした取り組みを通じて経営基盤の強化を図っています。

中小企業組合の効果

 以下のような効果を期待することができます。 

1.組合員の経営安定・基盤強化への寄与

  • 生産性の向上
  • 技術力向上
  • 情報の活用
  • 人材の確保・育成
  • 資金調達の円滑化
  • 取引条件の改善

2.新たな分野への挑戦

  • 新製品・新技術開発
  • 新市場・新販路開拓
  • 異分野・農商工連携
  • 異分野・農商工連携

3.業界全体の改善発達

  • 業界全体の技術水準の向上
  • 業界の地位向上
  • 取引条件の改善
  • 業界内外の実態把握と対応策の策定

4.要望・意見等の実現

  • 建議・陳情による政策面からの環境改善
  • 新たな支援施策の実現

以下のような効果を期待することができます。 

事業協同組合

 中小企業者が個々では対応できない課題に対して、相互扶助の精神に基づき協同して事業を行うことにより、経営上の諸問題を解決し、経営の近代化・合理化や経済的地位の改善発達を図ることを目的とする組合です。
 中小企業組合の中でも代表的な存在で、共同事業を通じて組合員が行う事業を補完・支援するための事業を実施します。

事業協同小組合

 組合員資格が、従業員5人以下(商業・サービス業は2人以下)の事業者に限られていることが特色で、実施する事業等は事業協同組合と同様です。

信用協同組合

 組合員である中小企業者等に対し、預金の受け入れ及び資金の貸し付け等の金融事業を行うことを目的としている組合で、中小企業者の資金需要に応えるための事業を実施しています。

協同組合連合会

 同一の資格業種による組合(企業組合を除く)同士が組織する連合体です。より広域的な活動を展開することで、一つの組合が単独で活動するよりもさらに大きな効果が期待できる共同事業を実施します。

企業組合

 4人以上の個人が資本と労働力を持ち寄り、一つの企業体となって事業活動を行う組合です。他の中小企業組合と異なり、個人が中心となって活動し、事業が限定されないことから、株式会社等に近い形態の組合です。
 個人以外にも組合事業をサポートする法人等も一定の条件のもとで特定組合員として加入することができます。

協業組合

 組合員になろうとする中小企業者が、従来から営んでいた事業の全部(全部協業)又は一部(一部協業)を組合に統合し、経営規模の適正化、技術水準の向上、設備や経営の近代化・合理化を進め、生産・販売能力の向上等を図ろうとする組合です。

商工組合

 業界全体の改善・発達を図ることを主な目的とする同業者による組合です。業界を代表する同業組合的性格を有していることから、設立に当たっては、組合の地区は原則として1以上の都道府県とすること、その地区内の同業者の2分の1以上が組合員となるものでなければならないこと等の要件があります。

商工組合連合会

 それぞれ県域等で設立された商工組合を会員とする商工組合の連合体で、中小企業者が営む事業の改善発達等のための事業をより広範かつ総合的に実施します。

商店街振興組合

 小売業又はサービス業を営む事業者等が商店街を中心に設立するもので、商店街の活性化を目指し、街路灯、アーケード、共同駐車場等の誘客のための環境整備や文化教室、集会場等のコミュニティ施設の設置を行います。

生活衛生同業組合

 飲食、美容、理容、旅館、公衆浴場、クリーニング等、国民の生活衛生に特に関係の深い業種の事業者によって組織される組合です。適正な衛生管理や衛生施設の改善向上を図るための指導的な事業を主体に実施します。