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Q&A


組合員(出資・出資金)


クエスチョン18 組合員の責任の限度について

   中協法第10条第5項によれば、「組合員の責任は、その出資額を限度とする。」とあり、又同法第20条第3項によれば、「組合の財産をもってその債務を完済するに足りないときは、組合は、定款の定めるところにより、脱退した組合員に対し、その負担に帰すべき損失額の払込を請求することができる。」とあります。この条文のうち下線の部分は「未払込出資金があればこれを請求し得る」という解釈と「その負担に帰すべき」という語句により、前述の解釈を拡大して「組合員の責任は、出資額を限度とする。」という第10条第5項の規定を無視する解釈が成り立つことも考えられますか。



アンサー18

   中協法第20条第3項にいう「その負担に帰すべき損失額の払込云々……」の条項は脱退者の持分の払戻に関し規定されたものであって、同法第10条第5項の規定により、組合員は明らかに有限責任であるから、当然「組合の未払込出資金があり、かつ欠損を生じている場合においては、未払込出資金額を限度としてその負担に帰すべき損失金額の払込を請求することができる」と解すべきです。
 したがって、貴見第2の解釈の如く「その負担に帰すべき云々……」のみを抽出してこの語句を拡張解釈することは妥当でないと解します。なお、ご質問の解釈のようにもとられる本規定は、無限責任の場合の規定であって、有限責任の場合の規定ではないとの見解もありますが、一応これは立法論として別に論ぜられるべき問題であると思います。





クエスチョン19 総会における増資決議の効力について

   組合の自己資金の充実を図るため、今後5年間配当金を出資金に振り当てるべく積立てることを総会において決議しました。この決議は、5年間効力を有し、各年度で総会の決議をすることなく、5年間、配当金を自動的に組合の積立金にできると解釈してよいでしょうか。



アンサー19

   本件は、総会の決議によって、将来、出資金に充当することを理由にその配当金を組合員に渡さず、組合員からの出資預り金として預かろうとするもので、組合員が受け取った配当金を組合に強制的に預けさせることと同じ結果になるものです。増資は個々の組合員の引き受けを基礎として具体化するもので、たとえ総会の決議をもってしても、組合員全員にこれを強制することはできません。
 したがって、本件のような決議は、今後一定期間の組合の方針あるいは計画を決議した程度にとどまるわけで、その範囲においては全組合員を拘束するものと考えられます。
 以後の処置としては、各年度に組合員の承諾を得る必要はありませんが、当初、各組合員別に承諾を得ることが必要です。





クエスチョン20 組合員の出資差押えについて

   協同組合の組合員が組合に対して有する出資について、組合員に債権をもっている第三者が、差し押えることができるものでしょうか。



アンサー20

   組合員が組合に対して有する出資は、民事訴訟法で規定するところの差押え禁止物件ではありませんので、これを差し押えることは可能です。しかし、その実際上の効果を問題とする場合は、組合法に規定されている持分の性格等との関係のなかで、ニュアンスが異なってきます。
 まず、差し押えた出資を競売する場合に、落札した者は前記中協法第17条の規定によって、持分の譲渡として組合(少なくとも理事会)の承諾を受けると共に、譲受人が、第三者、つまり非組合員の場合は、組合に加入しなければならないことになります。したがって、譲受人は、組合員となる資格を有し、かつ、組合に加入の申込みをすることが必要になってきます。
 このような関係から、差し押えた出資の市場性、いわば換金価値はきわめて狭い範囲に限られます。なお、出資を差し押えられただけの段階では、組合員としての資格は失われず、単に配当を受けられないのみにとどまり、出資の所有権は移動しませんから、組合を脱退したことになりません。
 このようなことから、組合員の出資を差し押えた場合の実利上の意味は、非常に限られた範囲にとどまります。

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