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中小企業組合制度



中小企業組合制度


 中小企業組合制度とは、中小企業者等が組織化し、相互扶助の精神に基づき協同して事業に取り組むことによって、技術・情報・人材等不足する経営資源の相互補完を図るための組織です。
 この制度は、これまでも多くの中小企業者等の様々な「前向き」の努力を支え、かつ、自主性のある中小企業を育成する有効なツールとして機能してきています。共同購入、共同生産・加工、共同販売、共同金融などの各種共同事業を活発に実施し、スケールメリットを発揮すること等により、実績を上げてきました。
 近年の中小企業組合制度に対するニーズをみると、従来から多く行なわれてきている共同施設等のハード面でのスケールメリットを追求する事業だけではなく、共同受注・販売等ソフト面での共同化を図る事業や、異業種の連携による研究開発、新製品開発もそのウエイトを増加させてきています。また、企業を退職したサラリーマンや、主婦、高齢者等簡易に事業を開始するための企業組合等の設立の動きも増えてきています。
 他方、技術や情報等不足する経営資源を他の企業との緩やかなネットワークによって補完するケースも増えてきています。さらに、これらのネットワークを発展させて、研究開発・情報化・環境リサイクル・介護福祉等に係る新たな組合設立の動きも見られます。


2 中小企業組合の概要

(1) 中小企業等協同組合法に基づく主な組合類型

1. 事業協同組合
 中小企業者が、新技術・新商品開発、新事業分野・市場開拓、共同生産・加工・販売等の事業を共同で行うことにより、事業者の新事業展開、経営革新、経営効率化等を図るための組合です。最近では、異業種連携による技術等の経営資源の相互補完により新事業展開を目指すものが増えています。
2. 企業組合
 個人が創業する際に、会社に比べ少額の資本で法人格及び有限責任を取得できるように考えられた、いわば簡易な会社ともいうべき組合です。企業組合には最低資本金規制はありません。
 最近では、企業をリタイアした人材や主婦、高齢者、SOHO事業者等が自らの経験、ノウハウ等を生かして、働く場を作ろうとするケースが増えており、福祉介護、託児所開設(保母・看護婦の経験を生かした創業)、地元特産品の開発、ソフトウェア開発、インターネットを活用したビジネス等様々な分野での創業に活用されています。

(2)中小企業団体の組織に関する法律に基づく主な組合類型

1. 協業組合
 中小企業者が、お互いの事業を統合(協業)し、事業規模を適正化することにより生産性の向上を図ることを目的とする組合です。古い生産設備を廃棄し、最新説の設備を共同で導入することにより生産工程を協業化するケース、原材料の仕入れや販売部門を効率化するため数社で協業化するケース、部品加工業者と完成品メーカーによる一貫生産等に活用されています。
2. 商工組合
 地区内(原則都道府県以上)に1組合とされており、地区内の資格事業者の過半数が加入する必要のある、まさに業界を代表する同業組合的性格を持つ組織です。組合事業としては、情報収集・提供、指導教育、調査研究事業等のほか共同経済事業を行うことができます。
 なお、団体法の改正により商工組合のカルテル事業が廃止されました。今後、重要性を増してきている環境・エネルギー問題への対応、リサイクルの推進等個々の事業者が積極的に取り組むことは難しく、社会的に対応が要請されている問題や、中小企業が経営革新に取り組む際の支援など、業種別の組織で一律に対応することが効果的かつ効率的な場合に活用できる組織として新たな位置付けられています。

(3)商店街振興組合法に基づく主な組合類型

1. 商店街振興組合
 商店街が形成されている地域において、小売業・サービス業が中心に組織化されているもので、設立に際しては、組合地区の重複は禁止されています。組合事業としては,アーケード・街路灯などの環境整備事業や共同経済事業で、商店街としての街づくりをねらいとしています。

(4)その他の法律に基づく主な組合類型

 以上の組合のほかに、生活衛生関係営業の運営の適正化に関する法律に基づく生活衛生同業組合、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律に基づく酒造組合・酒販組合などがあります。

3 組合の設立手続き

 組合を設立するには、行政庁の認可を必要とするなど、一定の手続きを経なければなりません。また、設立手続きは組合の種類により若干異なる点が見られます。

4 中小企業組合から会社への組織変更

 組合形態で創業した事業が軌道に乗り、従業員や資本を増加させて更なる事業拡大を図ろうとしている組合や、連携組織による研究開発成果を事業化しようとする組合などのため、組合(事業協同組合、企業組合、協業組合)から株式会社、有限会社への組織変更規定が創設されました(平成1 1年1 2月に制度改正)。
 これにより、組合の資産に対して清算課税や検査役の検査が行われることなく、組合の事業実績(研究開発の成果等)や設備などをそのまま活用して、事業を休止することなく会社へと円滑に組織変更することが可能となり、組合制度がより一層活用しやすくなりました。



法人組織の比較



事業協同組合
(事業協同小組合)
企業組合 商工組合 協業組合
目的 組合員の経営の近代化・経営活動の機会の確保 働く場の確保、経営の合理化 組合員の事業の改善発達、経営の安定合理化 組合員の事業を統合、規模を適正化し生産性向上、共同利益の増進
性格 人的結合体 人的結合体 人的結合体 人的・物体結合体
事業 組合員の事業を支援する共同事業 商業、工業、鉱業、運送業、サービス業等の事業経営 指導調査、調査研究、共同経済事業(出資組合のみ) 組合員の事業の統合、関連事業、附帯事業
設立要件 4人以上の事業者が参加すること 4人以上の個人が参加すること 1都道府県以上の区域を地区として地区内で資格事業をおこなうものの2分の1以上が加入すること 4人以上の事業者が参加すること
組合員資格(社員) 地区内の中小企業者(概ね小規模事業者) 個人(一定割合にて法人可) 地区内において資格事業を営む中小企業者及び定款に定めたときは3分の1未満の中小企業者以外の者 中小企業者(組合員の推定相続人を含む)及び定款で定めたときは4分の1以内の中小企業者以外の者
責任 有限責任 有限責任 有限責任 有限責任
発起人数 4人以上 4人以上 4人以上 4人以上
加入 自由 自由 自由 総会の承諾が必要
任意脱退 自由 自由 自由 持分譲渡による
組合員比率 ない 全従業員の1/3以上 ない ない
従事比率 ない 全組合員の1/2以上 ない ない
1組合員の出資限度(社員) 100分の25(合併・脱退の場合100分の35) 100分の25(脱退の場合100分の35) 100分の25(合併・脱退の場合100分の35) 100分の50(中小企業者でない者全員の出資総額は100分の50)未満
議決権 平等(1人1票) 平等(1人1票) 平等(1人1票) 平等(但し定款で定めたときは出資比例の議決権も可能)
員外利用限度 原則として組合員の利用分量の20/100まで ない 共同経済事業のみ適用、原則として組合員の利用分量の20/100まで ない
配当 利用分量配当及び1割までの出資配当 従事分量配当及び2割までの出資配当 利用分量配当及び1割までの出資配当 定款に定める場合を除き出資配当
根拠法 中小企業等協同組合法(施行:昭和24年) 中小企業団体の組織に関する法律(施行:昭和33年)


商店街
振興組合
生活衛生
同業組合
株式会社 財団法人 社団法人
目的 商店街地域の環境整備 組合員の事業の生活衛生の水準を向上、資格事業の改善 利益追求 公益追求 公益追求
性格 人的結合体 人的結合体 物的結合体 一定の目的に捧げられた財産の集合体 人的結合体
事業 商店街の環境整備、共同経済事業 生活衛生の適正化事業、指導、検査事業、その他 定款に掲げる事業 祭祀・宗教・慈善・学術・技芸・その他公益に関する事業 祭祀・宗教・慈善・学術・技芸・その他公益に関する事業
設立要件 1都道府県以内の区域を地区として商業又はサービス業を営む事業者の30人以上が近接してその事業を営むこと 都道府県ごとに一個の組合資格事業者の3分の2以上が加入すること 1人以上の社員(株主)が参加すること 1人以上の設立者が参加すること 2人以上の設立者が参加すること
組合員資格(社員) 地区内で商業又はサービス業を営む者、定款で定めたときはこれ以外の者 地区内において資格事業を営む者 無制限 なし(社員はいない) 社員権を持つ民法上の社員
責任 有限責任 有限責任 有限責任 有限責任(設立者) 有限責任(設立者)
発起人数 7人以上 20人以上 1人以上 1人以上(設立者) 2人以上(設立者)
加入 自由 自由 株式の譲受・新株引受による なし 自由
任意脱退 自由 自由 株式の譲渡による なし 自由
組合員比率 ない ない ない ない ない
従事比率 ない ない ない ない ない
1組合員の出資限度(社員) 100分の25 100分の25 ない ない ない
議決権 平等(1人1票) 平等(1人1票) 出資比例(1株1票)(※別段の定め可能) (理事)平等(1人1票) (社員)平等(1人1票)(定款で別段の定め可能)
員外利用限度 組合員の利用分量の20/100まで 組合員の利用分量の20/100まで ない ない ない
配当 利用分量配当及び1割までの出資配当 利用分量配当及び1割までの出資配当 出資比例配当(※別段の定め可能) ない ない
根拠法 商店街振興組合法(施行:昭和37年) 生活衛生関係営業の運営の適正化に関する法律(施行:昭和32年) 会社法 民法 民法

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